Cidre Bouché(シードルブーシェ)について

まだまだ少ないが、 以前よりも日本でフランスのシードルを目にする機会は増えてきたように感じる。 そのような時は、シードルのラベルをよく見ていただきたい。そのシードルは “Cidre” ではなく、“Cidre Bouché” かもしれない。

Cidre Bouché (シードルブーシェ)とは?

フランス語の辞書を見ると、 Bouché=ふさがった・詰まった・栓をした、 Vin Bouché =瓶詰めワイン、 と書いてある。 “Cidre Bouché”とは、シャンパーニュタイプ(耐圧)のボトルに、コルクの栓、口金を使用した、発泡性(自然の泡の場合は 3g/L以上、そうでない場合は 4g/L以上の炭酸)のシードルに認められている記載・表示のこと。

私は、 “Cidre Bouché”とは「典型的なフランスのシードル」の姿を定義しているのだと(勝手に)理解している。 フランスでは、クラフトビールのようなスタイルの(例えば、缶入り・茶色の小瓶に王冠の栓をした)シードルはあまり見かけない。

“Cidre Bouché”に対して、普通のシードルのことを “Non Bouché”と呼ぶこともあるが、外見上は “Cidre Bouché” と全く変わらない製品は多い。 分類上の両者の違いは以前のブログで紹介したが、製品の残糖量以外にも、トータルアルコール度数が “Non Bouché”の5%vol以上に対し “Bouché”は5.5%vol 以上であることや、エキス分、エタナール量などの規定が異なる。

*トータルアルコール度数(Titre alcoométrique total)とは、実際のアルコール度数と潜在的なアルコール度数の総計のことで、原料果汁の糖分量を示している。(Bouché 5.5%vol=93.5g/L、 Non Bouché 5%vol=85g/L)

それにしても、何故わざわざ普通のシードルを Non Bouché(ブーシェではない)と呼ぶのだろうか。  Cidre Bouché の方が、フランスのシードル業界では 逆に「普通」だからなのか?

2021.2.15. Ko HAYASHI


Photo:Hôtel Restaurant O Gayot BAGNOLES-DE-L’ORNE 2015.10. バニョル・ド・ロルヌにあるレストラン・バー・エピスリーを併設したホテル “O Gayot” 。 ここに立ち寄ったのは “SIDRE” の品揃えが豊富だから。 (残念ながら、M.Eric Bordeletとは訪問スケジュールが合わなかった) また、バニョル・ド・ロルヌは AOC Poiré Domfront の生産エリアのすぐ隣に位置している。 シードルと共に、ポワレを買い求めたのは言うまでもない。