ABOUT

そこには、とてもたくさんのリンゴの樹があり、
200樽、あるいは300樽のシードルを何度もつくっていた。
その味は心地よく、ワインの欠落を容易く補う

“Histoire générale de Normandie” Gabriel du Moulin 1631

フランスのシードルの産地、 ノルマンディー・ペイドージュ Pays d’Auge のことである。

私がペイドージュでシードルを自家醸造する農家に出会ったのは 2007年。
牧歌的な景色のなか、 偶然たどりついた小さな醸造所。
その農家が飲ませてくれたシードルは、フルーティーで自然な味わい。まさに心地よく、日本では飲んだことのない味だった。
それ以来、私にとって ペイドージュは特別な場所であり、そのシードルは常にスタンダードな存在です。

ペイドージュのシードルは、専用のリンゴ Pomme à Cidre からつくられます。
『どんなリンゴでもシードルはできる。 しかし、どんなリンゴでもいいわけではない』
このように言われるのは、 全てのリンゴが、 Cidre AOC "Pays d’Auge" の製法と味に適するわけではないから。

『原料の品質が、最も重要』

フレカンフェルムでは、ずっと先の目標を見据えて、リンゴの樹を育てています。
あの日、 ペイドージュで飲んだシードルを、 日本で。

Fréquin Ferme 農園主
林 甲

PROFILE

林 甲 (はやし こう)

林 甲 (はやし こう)

農家 / 1971年アメリカ合衆国イリノイ州生まれ。 札幌大学英語学科卒業。 名古屋市のベーカリーカフェ店長を経て、 2002年よりパン職人として ベーカリーととろに勤務。 2007年 本場のフランスパンを学ぶため渡仏。 旅したノルマンディーにてシードル農家 M.Bruno Vilainと出会う。 のどかな果樹園でリンゴを栽培、自宅敷地内にある施設でシードルを醸造する彼のライフスタイルに憧れ、リンゴ栽培を志す。 帰国後、長野県松本市へ Iターン移住。 新生園 横山氏より先進的な果樹栽培を学ぶ。 2009年 離農する農家から果樹園を借り受け農業経営を開始。 就農後は農家としての視点からフランスのシードル醸造所やリンゴ栽培を視察。 2012年 日本では先駆的な取り組みとなる醸造用リンゴ栽培を開始。 2016年 ペイドージュのシードル研修施設 Le RobillardにてAOCシードルの製造法を学び、リンゴの果汁成分を生かした自然で伝統的なシードル製法の奥深さに感銘を受ける。 2018年 同じく Le Robillardにて、カルヴァドス・ポモー製造の講義を修了。 2019年 イギリスのCider & Perry Academyにて、英国サイダーの権威 Mr.Peter Mitchellの製造理論を学び、醸造リンゴ栽培の第一人者 Mr.John Worleからリンゴ生産についての知見を得る。 2020年 シードル用果実生産農園 Fréquin Ferme フレカンフェルムを設立。 フランスで古くから高品質なシードルを生産してきたリンゴの品種系統 「Fréquin」を農園名とした。 原料段階から日本シードルの品質向上を目指して、地道な取り組みを続けている。

Fréquin Ferme

Fréquin Ferme
名称 Fréquin Ferme フレカンフェルム
代表 林 甲
所在地 〒390-1131 長野県松本市今井973-3
TEL 0263-88-5691
E-mail info@frequinferme.com
栽培品目 リンゴ、ブドウ、洋梨、プルーン、ラズベリー、桃
業務内容 果実と加工品の生産・販売
シードル用果実の試験栽培・生産・出荷・育種
Terroir 信州塩尻 岩垂原 (果樹園標高730m~740m)
信州松本空港南西に広がる、鎖川扇状地
内陸性気候 昼夜・年間の寒暖差が大きく、日射は強く、雨量は少ない
石が多く、シルトに礫質の混じった土壌は、水はけの良さが特徴