とりあえずBRUT!?

“DOUX”(甘口) “DEMI-SEC” (中辛口) “BRUT”(辛口)

どのタイプのシードルが好きか? 以前、フランスでこんな話を聞いた。

例えば、パリで好きなシードルのタイプを聞くと、ほとんどの人は「BRUT」と答えるという。 なぜ “BRUT” なのか尋ねると、そこに理由はないらしい。 また、シードル醸造所で試飲をする際、ここでも、たいていのお客は初めに「BRUT」を注文するという。 なので、シードル生産者は黙って2つのシードルを客に出す。 1つは “BRUT”のシードル、もう一つは “1/2 SEC”を。 そうすると、多くの人が “1/2 SEC” のシードルの方を最終的に選ぶのだという。

でもなぜ、まず “BRUT”なのか?

それは、どうやら、シャンパーニュのイメージから “BRUT” を選んでいるのだろう、と言われている。

上の話が事実かどうか分からないが、現在、製造されているシャンパーニュ製品の90%以上が “BRUT” だということを考えると、なんとなく納得してしまう部分もある。 実際、私も「とりあえずBRUT」から試飲し、買って帰るのは “1/2 SEC”が多かった気がする。

シードルもシャンパーニュも、製品の残糖量によって分類されている点で同じだが、シャンパーニュの分類はより細分化されているため、同じ “BRUT”でもその数値は随分と異なる。 シャンパーニュの “BRUT”は糖分12g/L以下(許容範囲を含めて15g/L以下)。 シードルは糖分28g/L以下となり、より甘口への範囲が広い。

なお、“SEC”という呼称は、正確に定義されていないという理由から、シードルでは使用することは勧められていない。

2021.1.20 Ko HAYASHI


Photo:Fête du cidre de Beuvron-en-Auge 2015.10. コロンバージュの家々が立ち並ぶ 「美しい村」 ブーヴロン アン オージュ。 ここで毎年、10月の最終週末に開催されているのがシードルとリンゴのお祭り “Fête du Cidre” 。  村の広場では、昔ながらの方法でリンゴを搾汁する姿が見られる。