Calvados Pierre Huet:リンゴ栽培について

AOC/AOP シードル・カルヴァドスを生産している Huet社のリンゴ栽培は、原産地統制呼称制度により厳しくコントロールされている。

750種とも言われるペイドージュのリンゴのうち、Cidre Pays d’Auge の生産に許可されているのは、選抜された約50種類ほど。それらは4つのカテゴリー(Amères 苦、Douces-Amères 甘苦、Douces 甘、Acidulées 酸)に分類される。 Huet社の主要な栽培品種は、Bedan、Binet Rouge、Bisquet、Domaine、Fréquin Rouge、Germaine、Mattais、Mouin à vent、Noël des Champs、Rouge Duret、Saint Martin、Rambault、René Martin などの13品種。これらの内訳は、Amères 30%、Douces-Amères 40%、Douces 15%、Acidulées 15% 。 Cidre Pays d’Auge の生産に適したプロポーションといえる。

Huet社の果実生産は、昔ながらのオートティージュ Haute-Tige(20ha)、より現代的なバスティージュ Basse-Tige(10ha)という、仕立ての異なる2つの果樹園で行われる。 オートティージュは、実生台 Président des cours を使用、1haに100本程と疎植のため、ほとんど防除をしない(0-2回)。 一方、バスティージュは、台木に MM106 などを使用し、1haに 500-700本と、より密植となるため病害虫のリスクが増し、必要な防除を行う(2-6回)。 果樹園では、除草剤を使用せず、施肥もしない。 また、栽培されるシードルリンゴ (Pomme à Cidre)や ポワレ用の洋梨 (Poires à Poiré)は醸造だけに使用され、同社のジュースには 一般的な加工向け品種を用いる。

収穫は、落下した果実を機械で集め、時期によってリンゴの使用目的が異なる。早生品種は、9月15日~10月30日に収穫、48時間以内に搾汁され、カルヴァドス蒸留用のシードルに。 12月15日までに収穫される晩生品種は、木製のコンテナに入れて3~4週間ストック。寝かせることで糖分や香りが増し、シードルとポモーに使用される。その年の気候条件などにより、晩生品種で12月15日を過ぎても自然落下しない場合は、機械でリンゴの樹を揺すり、果実を落として収穫。(昔は、木製の可動式の先端をもった 竿を使ってリンゴを落としたという)

以前のブログで 「リンゴは2年に一度しか実がならない?」というタイトルで投稿をした。そのことについて Huet社で質問したことがある。 「フランスでは2年に1度しかリンゴを収穫しないと聞いたが、本当か?」 回答は「毎年収穫するが、隔年結果する品種はある。確かに、そうした品種は収穫した翌年には収穫しない。これはシードルリンゴ Pomme à Cidreの特徴だ」と。 ちなみに、別の醸造所でも同じ質問をしたが、「そうだ」と答えた生産者もいた。

2021.4.16. Ko HAYASHI


Photo:Chambres d’hôtes La Vignerie ST-LAURENT-DU-MONT 2013.2. ペイドージュはチーズの名産地でもある。 カンブルメーを出発、 ポンレヴェック Pont-l’Eveque、 リヴァロ Livarot を経由し、 カマンベール Camembert へと巡るフロマージュの旅。  その日の朝食、 出発前の予習は完璧。